妊娠から出産・子育てへ 切れ目のない支援を!
3月議会報告<一般質問>より
■子どもの虐待死の原因として、親となる準備ができていない若すぎる妊娠や、経済的困窮などを含む望まない妊娠によるものが6割にのぼります。そのうち5割は生後24時間以内に発生し、それは出産前後に母親や子どもの両親が誰の援助もなく孤立していることを表しているとも言えます。
周産期医療から行政の子育て支援に移行する産前2ヵ月から産後2ヵ月の間は最も支援が薄くなる時期であり、この時期に切れ目なく親と子を支援していく必要があります。
Q)年間の出生数出産年齢の傾向、第1子出産の割合は?
A)H27年度は751人、出産年齢は高齢化しており40歳代で第1子を出産する女性が増加傾向にある。47・4%356人が第1子。
Q)相談の傾向や相談件数は?必要な支援をケアマネジメントし、継続的に係る体制は?
A)出産前は、保健センターでの母親学級・両親学級の中で70~80件、市立病院では助産外来で相談を受けている。出産前の相談内容は妊娠中の食事・栄養、入院の準備、母親の取った薬の影響などについて。出産後は、市立病院で出産した人には退院後1週間以内の電話訪問、母乳外来での相談を受け、市が行う新生児訪問指導では620人の方を訪問し、相談・指導を行っている。出産後の相談内容は乳児の体重、肌やおへその状態、母乳や母親の体調など。
■稲城市においては、第1子出産の方を対象とした出産前の母親学級・両親学級への参加が、356人中229人で64%の参加率。出産後の新生児訪問は出生児751人に対し620人と82%の高い訪問率となっています。新生児訪問は14人の保健師・助産師・看護師が手分けして行い、継続した支援については4人の保健師が地区担当制で年間80人ほどをフォローしているということです。(H27年度)
人口の多い区部などに比べるとしっかりとした相談体制ができており安心です。これを推進して「安心して子どもを産めるまち」とするために次のことを市に質問・提案しました。
Q)思いがけない妊娠や望まない妊娠への支援、相談窓口の周知を
A)現在も保健センター、子ども家庭支援センター、市立病院において相談を受け付けているが、東京都の「妊娠相談ホットライン」もホームページなどで周知していく。
Q)望まない妊娠を避けるためにリプロダクティブ・ヘルス/ライツについて市民への啓発を
A)健康課、市民協働課で啓発に取り組んでいく。
(*リプロダクティブ・ヘルス/ライツ:すべてのカップルと個人が有する人権の一部、つまり、妊娠、出産は女性の問題だけではなく、性と生殖に関する男女の平等な関係、同意、共同の責任という意識)
Q)平成30年度から実施予定の「乳児家庭全戸訪問」については「新生児訪問指導」と同様に専門職が対応し併せて全戸(100%)達成を
A)乳児家庭全戸訪問については市民・利用者にとっての利便性を第一に検討していく。