古賀茂明さんの講演1月29日
1月29日、中野サンプラザで東京・生活者ネットワークの「新春のつどい」がありました。基調講演にお呼びしたのは古賀茂明さん。
元経産省官僚で政治的にはリベラルな立ち位置。マスコミや著作で官僚主義や安倍政権の「タカ派」ぶりを批判するとツイッターが炎上気味ということ。
今の国会に「ハト派」が消えつつあることへの危機感を具体例を示しながらわかりやすく話してくださいました。
保守派、改革派それぞれにリベラルな勢力はあったはずなのに、公明党は連立維持の魅力に勝てず歯止めの役割を放棄。改革勢力の「ハト派」とみられた人達も全体の右傾化に引きずられ、政局大事でハト派路線を言えていない。
「そんな中、なぜ今日来たかというと、ネットのみなさんは改革派でしかも戦争には反対の立場ですよね!女性として戦争反対をはっきりと言っている。
いまの国会にはその座標軸(改革派でハト派)の勢力がいない、それで是非皆さんに頑張ってもらいたいと思います!」とのことでした。
この講演の4日後にイスラム国に捕らえられていた後藤さんが殺害されてしまいました。本当にやりきれない気持です。。
しかし、これに乗じたように安倍政権のタカ派攻勢は加速しています。「テロに対しては断固とした姿勢で・・」と声高に話す姿を見ると不安が増します。(詳しくは古賀さんの最新著書「国家の暴走」で)
戦争を経験した世代の方が「第二次大戦の前の雰囲気に似ている」とおっしゃっていることが気になります。
世の中全体が不安を掻き立てられ「攻めていかなくては自分がやられる」と思い込んでしまうことが正気を失った判断につながってしまいます。
テロリズムに強硬姿勢で対抗することはその場しのぎの対症療法でしかなく、しかも成功する可能性は低くむしろ戦争に巻き込まれて行く危険のほうが大きいと思います。
テロリズムが生まれてくる背景には世界の半数の人が貧しい状態にあり、「グローバリズムの恩恵」を受けているのは先進国や一部の富裕層のみ、しかも自国内でも貧困や差別により疎外感を感じている人が多いという現実があります。
そのような環境にある若者のなかから「ホームグロウンテロリスト」と呼ばれる今回のような事態に参加する若者が生まれるのです。
私たち生活者ネットワークは貧困や無知、差別や疎外感をなくすために活動することで問題の解決に導きたいと思っています。一見、遠い道のりのようでも長い目でみればそれが最短・最善の方法だと思うからです。
私の両親は旧満州(中国東北部)からの引揚者で子どもを引揚げ途中で亡くし母は8年もの間中国の内戦に巻き込まれて帰国できませんでした。ようやく帰国して父と再会し生まれたのが私でした。小さいころから「戦争だけはダメだ」という話しを耳にタコができるほど聞かされて育ちました。「すべては平和であってこそ」なのです。