令和7年度(2025年度)予算要望を提出しました

令和7年度予算編成に対する要望

 1.子ども・若者、教育分野

 <子どもの権利についての周知・啓発活動の推進>

 〇国の「子ども基本法」や子ども大綱、東京都の「子ども基本条例」や「東京都子ども未来ビジョン」について、また、これらの根拠となる「国連子どもの権利条約」について、子ども本人やすべてのおとなに向けて周知・啓発活動を推進する。

〇東京都が作成した、4種類の「東京都こども基本条例ハンドブック」の活用をすすめる。

〇義務教育においては、全員配布のタブレットのアイコンに「国連子どもの権利条約」と「東京都こども基本条例ハンドブック」を掲載する。

 

<離婚前後支援について>

〇離婚前後支援について、養育費の取り決め等に関しては東京都が行っている内容と同水準以上の支援を行う事。

〇養育費は本来子どものために使われるべきものであることから、正当に使われるためのチェックのしくみをつくる。

〇養育費の徴収や滞納に関し、明石市で行っているような相談・代行のしくみをつくる

〇離婚後の親子の生活をトータルに支えるしくみをつくる

 

<オーガニック給食の推進>

〇学校給食食材費を無償化すること。

〇学校給食食材を出来る限りオーガニックのものに切り替えていく事と、市内産農産物の利用について目標値を決めるなど推進する。

〇市内農家に大豆の栽培を依頼し、市内小・中学校、保育園、幼稚園などで市内産大豆で味噌つくり体験を実施する。

〇食育フェアを開催し、学校や幼稚園・保育園の食育の紹介と、給食食材のオーガニック化の推進、地産地消の推進などを行う。

 

<不登校支援について>

〇東京都の校内別室指導支援員配置事業の活用について、利用した子ども本人の声、他自治体での活用状況も含め成果を検証する。令和7年度についても、検証結果を踏まえて継続し、発展的な内容となるよう東京都に対して要望を行っていく。

〇不登校児童・生徒の個々の状況について調査・把握し、全体のニーズから市として整備すべき子どもの居場所と施策についてグランドデザインの検討を行う。

※その理由は、不登校児童・生徒が増えているにも関わらず、市としての施策は各学校毎の対応と通学者の少ない「梨の実ルーム」のみであり、多くの不登校児童・生徒は民間のフリースクールなどを選ばざるを得ない。

在籍学級に戻りたいか、戻りたくないか、家庭への支援が必要か、子ども自身への支援が必要か、個別の自由進度で学習できる場を設置するか等について、市内全体を見渡したグランドデザインのもと、市の不登校児童・生徒への施策と考え方を整理する。

また、令和5年度、6年度は東京都補助金による校内別室指導支援員を中学校に配置したが、その効果を踏まえ、さらに広げていくのか、支援員はどのようなスキルを持つ人を配置すべきか、財源はどうするのかなども全体のグランドデザインの中で考えていくことが不可欠。

 

<インクルーシブ教育の推進>

〇インクルーシブ教育の実現のために、「インクルーシブ教育のあり方検討会」を設置して、特別支援教育の評価を含め、より子どもの立場に立ったインクルーシブ教育のあり方を検討する。

〇インクルーシブ教育を可能にするための環境整備として、全ての子どもが  希望する地域の学校で共に学ぶことができるよう、必要に応じて校舎の整備を行う事。また、療育分野では臨床心理士や言語療法士の他に業療法士も配置する。

〇すべての子どもは地域の学校で学ぶ権利があることを前提に、個々の子どもの「個別最適で協働的な学び」を目指す。また、全ての教職員が、先駆的取り組みを行っている他自治体への視察や研修が可能となる予算を確保する。

〇インクルーシブ教育を実現するためには、保護者や市民への共生社会の実現のための理解促進の取り組みが不可欠であり、周知・啓発活動のための予算を確保する。

 

<包括的性教育の推進>

〇性教育について、教育委員会と市立病院助産師や民間のグループが協力して独自プログラムをつくる。

〇すべての子どもが、義務教育が終了するまでの間に「CAPプログラム」を受講できるようにする。

〇市民が無償で受けられる宅配便講座に「CAPプログラム」を加え、講師費用を市が負担する。

〇青少年健全育成委員会、民生児童委員、児童館職員、図書館司書、保育園、幼稚園、教職員などすべての子どもにかかわるおとなへの「包括的性教育」研修を実施する。

 

※理由は、性教育については、学校教育では「性交」については教えないという「歯止め規定」により不完全な取り組みになっています。2021年からスタートした「命の安全教育」では、性被害に合わないためという性に対するマイナスイメージばかりが強調されて、「命と性」の素晴らしさ、自分も相手も大切に考えるコミュニケーションの取り方など、人権としての視点で最も大切にすべき内容とうまく結びつけられていないからです。

性教育を進めると「寝た子を起すことになり、性が乱れる」と主張する人がいますが、性教育が進んだ結果と北欧では「若年妊娠」が減少しました。性教育の推進は子どもたちを守る結果なっています。

子どもたちが、「命と性」について、トータルに知り、自分や人を大切に扱うことのできる包括的性教育のプログラムは文部科学省が取り組むべきですが、それが実現するまでは自治体の責務として子どもたちに保障していくべきです。

 

<ヤングケアラーの実態調査と支援について>

〇教育委員会と子ども家庭支援センターが協力して、タブレットによるヤングケアラーの調査を実施し、必要な支援に結び付ける。

〇義務教育を終了した若者については、SNS等を利用して周知、相談、支援に繋ぐ方法を構築していく。

〇稲城市教育振興基本計画、稲城市子ども計画にヤングケアラーについて記載し、用語解説で開設することにより周知を進める。

 

2.医療・福祉分野

 

〇新型コロナウイルス感染症の後遺症に対応できる医療体制を確保すること。

〇ヤングケアラー・若者ケアラーを把握し、必要に応じて支援すること。

〇若者が相談しやすいようオンライン相談などの環境整備をおこなうこと。

〇障害者団体への補助金等の見直しについては当該団体等への聞き取りなどを通じて点検を行うこと。

〇障がい者サービスの市内事業所の充実や人材確保について、適正な計画を立て、取り組むこと。特に計画相談の体制、移送サービスの体制づくりを進めること。

〇強度行動障害の支援者。支援事業者の育成を行うこと

〇ひとり親世帯の母親や女性の非正規労働者に対して、具体的な困りごとの相談を聴き対応する体制を強化すること。

〇成年後見人制度について、多摩南部成年後見センターの他、市内での相談体制づくりも体制整備を行っていくこと。

〇障がいのあるお子さんの登下校の支援を可能にし、時間的に需要が集中するサービス提供者の募集についても支援を行うこと。

 

3.環境・経済・観光

 

〇公共施設、公共事業、自治体業務でどれだけCO2を削減できるかなど、地方自治体自らの脱炭素化に向けた目標と計画を持ち、取り組みを進めること。

〇公共施設等での再生可能エネルギー発電を拡充し、市の電力調達を再生可能エネルギーで賄えるように取り組むこと。

〇市内農産物の給食への活用を推進し、食育、就労、農地保全などの良好な循環を図ること。

〇緑と里山の保全を推進する市民会議を市が主体となり立ち上げ、長期的な取組みに関する対応を検討すること。

 

4.都市基盤整備・消防・防犯

 

〇公園整備計画を策定し、公園遊具の改修や新設遊具の設置など計画的に進めること。また、遊具の選定にはワークショップの開催やアンケートの実施など利用者の声を幅広く取り入れること。

〇公園のトイレの増設や洋式化を進めること。

〇街路樹の根上がりやタイルの剥がれなど、歩道整備及びバリアフリー化を進めること。

〇通学路を中心とした道路整備を促進し、危険箇所の早期解消を図ること。

〇雨水排水計画を策定し、着実に整備を進めること。

〇小中学校に防犯カメラを増設すること。

〇インクルーシブ公園の整備を進めるにあたり、ハード面だけではなく、プレーリーダーの育成の推進などソフト面についても検討を進めること。

 

5.市民・行政

 

〇自治体のデジタルトランスフォーメーションを着実に進め、オンライン申請や属性に合わせたプッシュ型の通知など、デジタル化による市民サービスの向上を図ること。

〇公園の使用許可についてはオンラインでの手続きを進めること。

〇デジタルを活用できる人とできない人との問題も生じているため、デジタル格差への解消にも同時に取組むこと。

〇市民からの聞き取りにより職員が申請書を支援する「書かない窓口」を推進すること。特に、生活保護の書類については早急に実施すること。

〇東京都の「パートナーシップ条例」と「パートナーシップ宣誓制度」の内容等を周知・啓発すること。また、市の施策に影響のある点を点検し、市民に周知すること。

〇事務事業評価の項目を増やしていき、できるだけ前年度の評価を次年度予算作成の参考にできる仕組みに変えていくこと。